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終活に関するお片付け(後編)~自分が居なくなった時のことを考えて整理を~


遺産や保険など面倒な書類関係の整理も早いほどよい

自分が元気なうちにやっておくことをおすすめした、前回の「老前整理」。これは主にもちものの整理でしたが、もうひとつ大切な整理があります。
それは「生前整理」と言われる、相続や財産の問題です。自分にどのくらいの資産があり、それを誰にどう分けるかということを整理した記録です。以前は遺言状といっていましたが、最近ではエンディングノートと言われることも多いですね。
どちらにしても、自分が死んだあとのことを考えて整理することになるので、あまり気分がいいものではありません。死を考えるなんて縁起でもない、遺言状を書いたら寿命が来てしまうのでは…など様々な理由でこの生前整理を先延ばしにしている方が多いのです。

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残された家族が困る、と考えて整理を

そう考えてしまうお気持ちもわかります。実際、自分が死んでしまった後のことは、自分ではわかりませんので、自分が困ることはないのです。困るのは…残されたご家族です。
長い間積み立てていた生命保険も、どこの保険会社のどんな保険に入っていたのか、証書はどこにあるのかを家族が知らなければ、積み立てたお金が無駄になってしまいます。保険金を家族が受け取れない可能性も出てきてしまうのです。
保険金が受け取れないというのも大問題ですが、もっと深刻な問題になるのが遺産問題です。法的に分与の割合は決まっていても、遺言がなかったためにトラブルに発展することはとても多いのです。大事な家族が骨肉の争いに…は避けたいですよね。きちんと生前整理をしておけば、そんな問題は起こりません。もし小さな争いが起きたとしても、あなたの遺言をもとに解決していくことができます。
遺産や保険に関する書類は、ファイルボックスなどに一か所にまとめ、きちんとラベルを貼っておきましょう。そこに何があるかを家族に説明していたとしても、いざというときにはご家族も混乱し、記憶があいまいになってしまうこともあります。自分以外の人が見ても、それとわかる表示をつけておくことが大事です。

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遺品整理のポイントは、すべてを思い出の品だと思わないこと

老前整理と生前整理をしっかり行った後、天寿を全うできれば最高です。人生を最後までしっかり生きたと、残った方からも死を悼まれ、ずっと忘れられずにいてもらえると思います。
次にお話するのは、故人の持ち物を遺族が片づける「遺品整理」についてです。
ご本人がどんなに悔いなく生きたとしても、残された家族はとても寂しいものです。ご本人がいなくなったあとは持ち物すべてが思い出につながり、なかなか整理が進みません。自分たちでやるつもりだったけれど、何年経っても、遺品を自分たちで整理できない。プロと一緒にやればできるのでは…と相談を受け、お片付けに伺うことも多いです。そういうときは、ご家族のお気持ちを聞きながら、でも実際にそれが今の生活に必要か、思い出の品としてどれを残すのがよいか、などをじっくりお話ししながら整理していきます。

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思い出の品にも優先順位がある

ちょっと冷たい言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、遺品にも優先順位があります。思い出の品を何でも捨てる、ということではありません。残しておいたら、今生きている、今そこに住んでいる人の生活スペースを圧迫してしまうものを、本当に必要かどうか見極める、ということです。

あるお客様は、亡くなる直前に親ごさんが買ったベッドをずっと捨てられないでいました。使っていないので、遺品とは言えないのですが、生前に買ったものなので捨てにくい。数年たつうちに古びてきたけれど、捨てるのもはばかられて…と言われていました。
これは優先順位で考えると、かなり低いですよね。しかも大きくて、使う人もいない。これは思い切って処分しましょう、とお話ししました。その代り、しまいこんでいた故人愛用の腕時計のコレクションをすべてきちんと飾ることにしました。

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家の中のスペースを占めているものの整理は、家具だけではありません。実は写真も場所を取ってしまう遺品のひとつです。亡くなられた方が写っているので、とても捨てにくいのです。でも写真はデータ化ができます。思い出を捨てることなく、デジタル化してスペースを減らすことができるのです。最近は、専門の業者があり、写真はもちろん、ビデオテープの動画もスキャンできます。VHSのビデオテープがずっとテレビ台の奥に眠っている…なんてお宅もあるのではないでしょうか。
USBメモリーやマイクロSDカード、DVDなど保存する媒体も選べます。お気に入りの写真をスライドショーにして、自分の葬儀に流すための一枚を作っているという方もいらっしゃいました。これはご自分でやるので生前整理になりますが、とても良いアイデアですよね。

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いずれ使うモノは捨てずに保管を

今は使わないけれど、いずれ息子さんが使いたい、娘さんに持たせてお嫁に行かせたい…そういうモノはトランクルームに預けると便利です。生活スペースを圧迫しませんし、空調や湿度が管理されているので、家のたんすの奥にしまっておくより、状態良く保管できます。
預けたモノもしっかりリストにし、見直す日時を決めておきましょう。意外に忘れてしまうものなので、1年ごとの見直しがおすすめです。入れっぱなしは厳禁。ご命日など、期日を決めて取捨選択をしましょう。あずけっぱなしにしては、遺品の意味がなくなってしまいます。

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2回にわたってお話してきた終活の「老前整理」「生前整理」「遺品整理」。遺品整理だけはご自分ではできませんが、老前と生前はすぐできるだけでなく、その後のご自分の今の生活もすっきり軽やかになります。いつもとはちょっと種類の違うお片付けですが、50歳以上の方は、是非是非やってみてください。

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