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共有スペースで過ごしたくなる――ライフスタイル型ホテルは定着するか【2】


東京や京都など日本を代表する主要都市で、ライフスタイル型と呼ばれる新しいタイプのホテルが注目を集めている。客室をスタイリッシュに仕上げる一方、宿泊者同士、もしくは宿泊者と第三者が交流でき食事などを楽しめる共有スペースを積極的に作り出す。そうした特徴を持つライフスタイル型ホテルの現状と今後をレポートする。

ターゲットはミレニアル世代
ソーシャルメディアが定着の鍵握る

ライフスタイル型ホテルは、カプセルホテルの領域にも出現している。2017年7月、ミレニアル世代向けに特化した宿泊施設として、グローバルエージェンツが京都にオープンした「ザ・ミレニアルズ」がそれだ。ホテル全面積の20%を共用部に充て、24時間を通して利用できるワークスペース、ミーティングルーム、キッチン、食卓、バーカウンターを設けている。
同社の山﨑剛社長は「ミレニアル世代は他の世代とは異なり、目的に応じて合理的に手段を選ぶ。必ずしも所有にはこだわらず、シェア一辺倒でもない。多様性を尊重し自由を求めるこの世代向けに実現したのがザ・ミレニアルズだ」と強調する。

ザ・ミレニアルズ ホテル全面積の20%を共用部に割いた「ザ・ミレニアルズ」。キッチンやワークスペースなどは24時間使える。

同社は首都圏を中心に36棟・2000室のソーシャルアパートメントを供給している。プライバシーを確保し入居者同士が集う空間を設置したソーシャルアパートメント事業は順調に推移しているが、もっと気軽にソーシャルな空間を体験してみたいというニーズも少なくない。ザ・ミレニアルズは、引っ越しほどハードルが高くなく、ソーシャルアパートメントと同等の価値を提供できる施設という位置づけだ。同ホテルのユニークな特徴の1つが、ミレニアル世代のミニマリズム志向を踏まえつつ、カプセルホテルの形態を応用した客室。従来型のカプセルホテルよりも高い居住性と機能性、先進性を備えた客室ユニット「スマートポッド」を自社開発した。

一般のカプセルホテルは二段のベッドが一般的だが、これでは居住性が低いことからベッドは1 段とし、ソファモードを選べば床に立つこともできるようにしている。着替えをするときに便利なようにという配慮からだ。アラーム機能を設けて時間になるとベッドの背もたれが自動的に起き上がるシステムも利用客には大好評だ。

ソーシャルな空間の活性化にも余念がない。「人が集まる場を盛り上げていくには、空間、スタッフ、ゲストの連動が不可欠。ソーシャルアパートメント事業で培ったノウハウを生かし、活気のある空気感を演出している」(山﨑氏)。ザ・ミレニアルズが好調に推移していることから、ビルの活性化策として同社には出店のオファーが相次いでいるという。2018年3月には東京・渋谷に2号店がオープンする。

今後、ライフスタイル型ホテルが定着するか否かの鍵はSNSが握っていると、各社とも口をそろえる。「日本人の多くはまだライフスタイル型ホテルの楽しみ方を知らない。SNS等のソーシャルメディアにより浸透のスピードは上がっていく」(森トラストの増永取締役)。SNSの台頭と足並みを揃え、ライフスタイル型ホテルの時代がいま幕を開けたようだ。

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