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新たなステージが続々と登場 2018年の住宅・不動産業を見る②


2018年は住宅・不動産業界に新たなステージが続々と登場する。低額物件の報酬告示改正(1月1日)、媒介業者にインスペクションの活用を促す改正宅建業法施行(4月1日)、空き家活用としての“民泊新法”スタート(6月15日)などである。また、昨年10月に発足した「新・住宅セーフティネット制度」と、それを支えるため同時に発足した「家賃保証業者登録制度」などが今年どういう動きを見せるのかも含めて、大きな関心が寄せられている。

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4月にインスペクションの業法化がスタート
民泊新法は賃貸住宅の空き家活用につながる

今年4月1日にはいよいよ、媒介業者にインスペクションの活用を促す改正宅建業法が施行される。消費者が安心して既存住宅の取引を行えるようにすることを目的としているが、これにより既存住宅市場の拡大がどこまで進むのか、専門家の間でも意見が分かれる。

一足早く2015年4月1日に施行された宅地建物取引士制度では、取引士に関する規定が新設された。そこでは取引士の資質向上、消費者利益保護の一層の徹底などが定められたが、今年4月からインスペクションを媒介業務上に位置付けることで取引士のレベルアップを一気に促進したい狙いもあるようだ。ちなみに、新設された宅建業法第15条の3にはこうある。「宅地建物取引士は、宅地または建物の取引に係わる事務に必要な知識および能力の維持向上に努めなければならない」。つまり、同条項はインスペクション(建物診断)についても、その報告書の内容を十分に理解し、消費者に適切なアドバイスができる高いレベルの能力を求めていることになる。

6月には“民泊新法”が施行される。ここにきて俄かに注目を集めているのが、賃貸住宅の空き室を民泊として活用する動きが出てきていることである。周辺住民とのトラブルを回避するため、分譲マンションであれば住民の総意として管理規約で民泊活用を禁止することができる。しかし賃貸住宅の入居者にはそうした権利はないため、オーナーが空き家対策として導入すれば、一気に普及する可能性がある。隣室が民泊に供されると、入居者からの苦情が殺到することも予想される。オーナーや管理会社がどのような姿勢で臨むのか、注目される。

首都圏マンション市場は堅調か
消費税駆け込み需要の発生が気になる要素に

最後に、首都圏のマンション市場について展望する。新築市場は、供給者側が地域特性や顧客ニーズから価格と商品企画について綿密な販売戦略を展開する一方、資産性重視などますます選別志向を強める消費者側とのぎりぎりの“せめぎ合い”が続く。そうした中、年後半の焦点は2019年10月に予定されている消費税増税に伴う“駆け込み需要”が年末に向け現れるかどうかである(2019年3月末までに契約をすれば、引き渡しが10月以降になっても旧税率が適用になる)。不動産経済研究所は2018年の供給戸数を前年比4.4%増の3万8000 戸としているが、駆け込み需要次第で4万戸も視野に入るという。

一方、中古市場だが2017年は東日本レインズによる成約戸数が3万7200戸には達しそうである。そうなると、同研究所ベースの新築供給戸数予測(3万6400戸)を上回るため、2016年に続き2年連続で中古が新築を上回ることになる。若年層などの所得環境を考慮すれば、新築を諦め中古を選択する傾向は今後も続くと見られ、消費税の駆け込み需要が発生しない場合には2018年にも引き継がれると見るのが妥当だろう。(「不動産経済ファンドレビュー」2018年1月5・15日合併号)

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