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貸出金利息収入が増加へ ―横たわる預金利息への負担増①


主要金融機関による貸出金利息収入が増加傾向に転じている。大手行を中心に収入が回復し、総貸出金が増えているにもかかわらず、利息収入が減るいびつな収益構造からは脱しつつある。ただし、預金利息への負担増は変わらず、本格的な回復には途半ばだ。2017年9月期の業績を分析する。

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貸出金利息収入が大きく増加に転じる 預金残高増えるも利息負担がのしかかる

金融機関による総貸出金が増加している。弊誌編集部がまとめたデータによると、日本政策投資銀と生損保各社を除いた主要107機関による2017年9月期の貸出金総額は前年同期比5.58%増の549兆6072.13億円で、増加に転じた。貸出金利息収入も、前年同期比8.37%(2412.65億円)増え、3兆3364.75億円だった。
前年同期の12.32%(4292.69億円)減少から大きく増加に転じている。主に大手金融機関と信託銀行などがけん引した。金融機関毎に見ると、計上額トップは三菱東京UFJ銀の5745.64億円(前年同期比19.12%増)。第2位は三井住友銀(5547億円、15.32%増)で、これにみずほ銀(4383.71億円、12.92%増)、三井住友信託銀(1454億円、16.23%増)、りそな銀(973.54億円、5.01%減)などが続いた。りそな銀がマイナス基調にあるものの上位機関が揃って2ケタ増えており、好調であることがわかる。

金融機関の属性別に見ると、大手6行(三菱東京UFJ、三井住友、みずほ、りそな、新生、あおぞら)が前年同期比14.34%増、信託銀行が16.95%増、その他金融機関が12.88%増だった。「その他」で増えているのは、イオン銀(残高428.29億円、10.28%増、12位)、農林中央金庫(359.57億円、28.95%増、15位)、オリックス銀(220.52億円、11.80%増、28位)、楽天銀(210.71億円、11.85%増、30位)、ソニー銀(77.85億円、8.25%増、80位)などであり、比較的新しい顔ぶれの金融機関が多い。
ただし、総貸出額の3分の1を占める地方銀行は、貸出金が186兆5733.09億円で6.25%増えているものの、資金供与先から得る利息は0.28%増の1兆150.30億円に抑えられており、金融機関間で事業環境にも差が出ている。

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貸出の原資となる預金残高は819兆5896.01億円で52兆8989億円増(6.90%増)。すべての属性で残高が増えているが、とくに大手6行が21兆5797.88億円増(6.17%増)、地方銀行が24兆3947.75億円増(11.08%増)と増加額が大きい。金利がほぼゼロにもかかわらず、一定の預金が金融機関に集まっている。第二地銀は預金残高を2兆8829.18億円(6.38%)増やしたが、預金利息を8.41億円(6.39%)減らしており資金を効率的に集めている。

ただし、こうして集まった資金に対する預金利息負担が各金融機関に大きくのしかかっている。預金利息総額は4135.84億円(40.23%)も増えている。大手6行は1629.98億円(75.11%)、地方銀行は2245.56億円(32.43%)それぞれ増え、増加幅が大きい。貸出金利息総額は2823.34億円増なので、この額と単純比較しただけでも利息負担増が大きいことがわかる。(「不動産経済ファンドレビュー」2018年1月25日号)

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