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不動産有効活用最前線 ~テナントリレーションという考え方~

筆者:不動産ビジネスライター 久保純一 氏

テナントリレーションという言葉を耳にするようになってかなり経ちます。
しかし何がテナントリレーションなのかという定義は、まだ定まっていないといっていいようです。不動産管理会社などではテナント管理やテナント運営、テナント支援といった言葉をあてていますが、どれもなんとなく意味はわかるものの具体的に何をするのかが見えてきません。

ではテナントリレーションという概念は何のためにあるのかといえば、それは入居者(=テナント)の満足度を向上させるためです。入居者の満足は物件の稼働率に直結しますから、オーナーとしては力を入れて取り組むべき大切な項目です。
しかしここでいう満足度とは、設備や立地などのハード面ではありません。オーナーと入居者が良好な関係を築いてビルやマンションの居心地を良くしていく。それがテナントリレーションなのです。
そのために重要なのは、入居者が何を求めているか、何をすれば喜ぶかを正確に理解することです。これは物件によっても、また入居者の属性によっても変わってきます。オフィスビルであれば執務に適した環境の構築、アパート・マンションであれば生活環境の整備、店舗のテナントであれば売り上げの向上といったところですが、こういった要求をソフト面で実現していくのは簡単ではありません。そこでまずは、入居者の不便・不満を解消するところからはじめます。

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もちろん、ただ漫然と不動産経営を行っていたのでは入居者の不満や不便には気づけません。アンケートや回覧板も有効ですが、まずは入居者との接触を増やして直接ヒアリングを行うことを心がけましょう。オーナーと入居者が顔をつきあわせて会話する。そんな日常的なコミュニケーションこそ、テナントリレーション」(テナントとのつながり)のはじまりであり基本なのです。 また満足度向上のための積極的な取り組みとして、ビルやマンション内でイベントを開催することもあります。オフィスビルであれば他の入居者との交流によるビジネスの促進。アパート・マンションであればコミュニティの形成。店舗であれば集客を促進して売り上げの向上、といった効果が見込めます。店舗ビルでのイベントはいうまでもありませんが、オフィスビルでの交流会やマンションの中庭での餅つき大会といったイベントに参加したことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。一度こういったイベントを企画してみるのも面白いかもしれません。
テナントリレーションによって生まれるオーナーとの入居者の信頼関係や入居者同士のコミュニティは、利回りなどの数字にはあらわれないかもしれません。しかしこのビルに入って良かった、もっと長く入居したいという入居者の思いがあるからこそ、稼働率は上がります。テナントリレーションは、あなたの物件の価値を創りだすのです。

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